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生活習慣病
日本のこどもの生活も@体型、体力向上を目指した食事の西欧化による動物性蛋白質と脂質の摂取増加、A塾の流行による余暇の減少、Bテレビの普及などによる夜型の生活習慣、C受験勉強によるストレスなど変化してきています。
種々の病気はその個人が持つ遺伝要因と密接に結びついていますが、その発症や進行には外部環境や生活習慣要因が大きく関与しているといわれています。生活習慣は長い時間かかって形成されるものであすので、一度好ましくない習慣が形成されると一朝一夕に改善することは難しくなります。生活習慣は幼児期にその基礎がつくられ、小学校が完成期であり、中・高校期は自立期であるといわれています。つまり生活習慣は幼少時期にその基本が身につけられるものですので、幼少時期の家庭、保育園、幼稚園、学校における適切な生活習慣獲得が重要と考えられています。
しかし、難しく考えると生活できませんし、子育て出来ません。自分の家庭で、出来る範囲で、かつ長続きする生活を考慮して少しずつ改善していって下さい。
1、生活習慣病とは
生活習慣病は「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症、進行に関与する症候群」と定義されています。
生活習慣病の遺伝的素因を持つものにとっては発病の予防、あるいは遅延のために生活習慣の改善は非常に重要な意味を持ちます。個人個人の生活習慣に対する意識、対処が問われる疾患です。
最近は、かつて成人病といわれた2型糖尿病、高血圧、高脂血症などの発症年齢が徐々に低下してきており、小児成人病とも呼ばれるようになっています。この中でも、特に2型糖尿病の発生が小児期後期から思春期に多く見出されるようになってきました。遺伝要因に加えて、動物性脂肪の過剰摂取、食物繊維の摂取不足、運動不足、喫煙、肥満が2型糖尿病の発症を増加させるといわれています(糖尿病の項参照)。
2、見つけられる病態
多くの小児生活習慣病の発症に密接に関連するのが小児期の肥満です。肥満は肉眼的にも判断できますし、毎年必ず行われる身体測定で評価できるという特徴、利点があります。
3歳頃までの肥満は成人になってからの肥満と結びつきませんので、この頃の「ぽちゃぽちゃしてかわいい」は心配いりません。3歳以降の肥満の大部分は成人になってからの肥満に結びつきますので、小児期での肥満対策は重要です。
3、予防法
生活習慣の中では食事が重要な要素を占めるとされ、日本が長寿国である一因に位置付ける報告もあります。@蛋白質が多種(肉、魚介、豆)、A比較的低脂質かつ抗動脈硬化作用のある魚油の占める割合が多い、B糖質は複合糖(食物繊維、炭水化物が多い)という和食が見直されるべき時期に来ていると思います。成人してからの「おふくろの味」を懐かしむ食行動の存在は小児期の和食が一生の食生活に影響を及ぼすことを示す良い例ではないでしょうか。
その他に、摂取エネルギーの制限、消費エネルギーの増加は重要です。常日頃からスナック菓子や甘い飲料の制限、運動の時間や空間の増加を実行しなければなりませんが、子どもだけに制限を強要させることは継続不可能でありますので、家庭が一丸となって行ってあげて下さい。
1)運動の効果は?
@ 運動能力、持久力、体力の増強
A エネルギー消費
B 血圧を低下さす
C インスリン感受性を高める
D 血清総コレステロールを低下さす
E ストレスの発散
F 生涯スポーツの基礎となる。
G 危険からの回避能力の向上
H 精神発達の促進と社会性の育成
2)運動をする上での注意点は?
@ 年齢による適した運動の選択
小学校:スマートな基礎動作
中学校:基礎体力作り
高校 :筋力トレーニングや技術の習得
A 多種目を行う
B 競技性を少なくし、遊び部分を多く
C 食事指導と精神指導も合わせて行う
など、楽しみながら続けられる環境が必要です。
肥満を主訴に来院する場合、肝機能の軽度異常によく遭遇します。「薄味に」「ジュースやポテトチップスなどの間食、脂っこい食事は少なめに」「自動販売機で買うのであれば、お茶かノンカロリー、小さいスポーツドリンクの缶」「少し歩くか軽い運動を増やす」「やせる必要はないが体重を同じにし、増やさない」などと指導しています。少しでも守ってくれると数か月で肝機能は正常値に戻ります。こどもには身長の増加があり、体重の維持だけで肥満度が下がります。指導する側にとってこどもに無理なダイエットや運動をさせる必要がなく楽です。
1)家庭での注意点
肥満はやせる努力をするよりも肥満しないように注意するほうが楽だし、効果的です。また、年少時開始のほうが効果は良いといわれています。悪くなる前の早期対策が楽です。ただ、肥満体型であるからやせなければならないと単純に注意するのは慎重であるべきと考えます。肥満度が大きくても脂肪肝にならない児や肥満と見えない児が脂肪肝であったりもします。元気で、活発で、肥満が肝障害など体に悪さをしなければ肥満体であるということは個人の勝手であるという理論は言いすぎでしょうか。自分だけではどうしようもない環境がありますし、肥満の原因となる過食がストレスのはけ口の1つとしてストレスに対する自己防衛手段であるかもしれません。ゆっくり何年もかかって自分にあった食生活を摸索してもらえればと願っています。家庭の味覚、嗜好、食事の伝統などの食生活は各家庭で異なるはずです。本に書いてあるような一律の食事内容は実を結びません。また、食事のコントロール、その人にあった食事形態は一生涯続いてこそ意義があるのであり、ごく短期間に無理をして強制しても、その直後の反動、原状復帰などが生じるようであれば成功とはいえません。個人の生き様は重要であり、大切にされるべきです。本人の自覚を促しながらゆったりとした改善が重要です。
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