冬は肌が乾燥しがちで、布団に入って温もると痒くなる子供や老人が多くなります。少し痒いだけであればよいのですが、イライラや不眠は困ります。

1、皮膚について

 皮膚の表面には角層というバリアがあり、その上の皮脂の膜と共に水分の調節をしています。

2、皮膚の脂(皮脂)

 皮脂の量は性ホルモンに影響され@赤ちゃんはお母さんの性ホルモンの影響で多く、A生後6か月から思春期までは性ホルモンが少なく皮膚が乾燥しがちになります。B思春期では皮脂が多く、にきびも出ますがC女性では30歳頃、男性では40歳頃から皮脂の量が減少し、老人になるとさらに皮膚は乾燥します

3、皮膚を乾燥させる因子

 エヤコンの効いた部屋、コタツ、電気毛布などの快適に暮らす道具が部屋の空気を乾燥し、皮膚を乾燥させます。程々にして下さい。

4、入浴

 汗やあかが痒みの原因となります。汗やあかを落とすお風呂は有用です。石鹸をやさしく使って、石鹸分をよく洗い流して下さい
 タオルでゴシゴシ洗うのは皮膚を傷つけ、皮膚の持つバリア機能を破綻させ、よけいに悪化し、痒みが増しますので止めましょう。

5、衣服

 直接肌に触れる下着などは吸湿性の良い木綿のものを1、2回洗って柔らかくしてから使用して下さい。ノリ付けは止め、麻や毛糸なども皮膚に直接触れないようにして下さい。赤ちゃんなどを抱っこする人も赤ちゃんの肌に直接刺激のあるものが触れないようにして下さい。

6、食事

 食物制限は明らかに食べればひどくなる食物のみに限定してください。食物制限自体がストレスとなり皮膚炎を悪化させます。

7、ホコリ、ダニ

 生活環境の整備には限界があります。こまめに掃除をし、部屋の換気を良くする、じゅうたんなどを止めるなどで十分です。アトピー性皮膚炎はダニやホコリといった単純なアレルギー反応ではなく、遺伝、体質、ストレス、友人関係、生活環境、アレルギー、感染、日光など多くの因子が関係しています。原因の1つのみにとらわれすぎるのは感心しません。

8、薬

 スベスベの肌にする必要はありませんが、痒くて落ち着きがない、不眠などは困ります。入浴後に保湿作用のあるクリームや軟膏を塗布して下さい。赤みが強い時は炎症を抑える塗り薬も必要です。掻くと症状が悪化し、皮膚のバリア機能も低下します。痒みの強い時には痒みを抑える内服薬を併用して下さい。自分の生活に合わせて、あせらず気長に治療することが大切です。