| 低身長 その4 治療の実際
今回は治療についてのお話です
1、治療が必要と考えられる子は?
統計上同じ年齢の子を100人身長順に並べると、前から1人または2人が成長ホルモンの分泌が悪いなどの病気の可能性があります。特に日本人小児の身長曲線(小児科専門医にご相談下さい)の伸びから離れていく人(平均身長との差がだんだん大きくなる)にその可能性が強い。クラスや学年内で身長がかなり低い、ほかの子が伸びるのにあまり伸びないなど感じたら小児科専門医にご相談下さい。
2、診断方法
全身状態、二次性徴の出現程度、それまでの身長・体重の記録(持参して下さい)、骨の成長程度、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌能力などを調べます。
3、成長ホルモン
成長ホルモンは脳にある下垂体から分泌され、少ないと低身長になり、多すぎると巨人症となります。成長ホルモンは1日のうちでも数回は高くなったり低くなったりするため、1回の検査では成長ホルモンが十分分泌されているかどうかはわかりません。低血糖やある種のアミノ酸や薬が成長ホルモンを分泌することがわかっていますので、これらを投与して成長ホルモンの分泌の程度を調べるホルモン分泌負荷テストを行います。
4、成長ホルモン療法
低身長の子供のうち成長ホルモンの分泌が悪いと判定された場合に成長ホルモンを補充します。ホルモン補充で年間3〜4cmの身長の伸びが7〜8cmとなり、同級生の身長に近づきます。成長ホルモンは身長を伸ばす以外にも筋肉増強、体脂肪の減少、動脈硬化増強因子の減少などにも働きます。ホルモンの補充は皮下注射ですが痛みはほとんどありません。
日本では今まで2万人以上の子が投与を受け、和歌山県でも現在は70人ほどの子が治療中です。
5、費用
一定の基準を満たせば小児慢性特定疾患事業により無料で治療が受けられます。身長の伸びが同年代の子供に追いつくまで数年間の治療を必要とします。特に成長ホルモンは高額のため、こういった無料の制度を利用しないと継続することは困難です。
6、その他:身長が早く止まる思春期早発症
成長ホルモンは正常ですが、思春期が早く来すぎるため、幼稚園や小学校低学年では身長は高く喜んでいると、身長が早く止まり、最終的に低身長となります。女児では7歳までに乳房腫大、9歳までに生理が出現した場合に疑い、男児では9歳までに睾丸が大きくなった場合に疑います。二次性徴を抑える薬の早期使用で低身長が予防できます。
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