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学校伝染病第2種(出席停止の主な病気)
学校が媒介の場となって児童から児童へ伝染し、蔓延して行くのを防止する目的で作られた法律で、飛沫感染により伝播し、児童生徒の罹患が多く、学校において流行を拡げる可能性の高い8つの疾患が第2種に分類され、学校において予防すべき伝染病です。今回は結核を除き7疾患について記述しました。伝染性紅斑(りんご病)、手足口病、ヘルパンギーナは学校伝染病には含まれていません。たた、一部の保育園や幼稚園では登園禁止の病気に指定している場合があります。
1、麻疹
麻疹ウイルスによる感染症で、咳、鼻水、眼脂や眼球充血、不機嫌を伴う38℃程度の発熱が2〜4日続き、ごく一時的に1℃程度熱が下がる傾向を示した後、40℃程の高熱になると共に紅色の癒合する発疹が頚部付近から出現します。高熱は3〜4日続きますが、この発疹は解熱しても消失せず、色素沈着してしばらくは残ります。発疹の出る頃には頬部粘膜にコプリック斑(紅暈に囲まれた約1mm径の白色小斑点)という独特の発疹も出ます。のどは発赤が強く、痛がります。
潜伏期間は8〜12日で、発疹出現の5日前から解熱するまで感染力があります。学校や家庭内で感染者と判明した頃には周囲へはすでに感染させていると考えられます。
平成18年6月から、麻疹・風疹混合ワクチンが1歳と小学校入学前の1年間との2回接種が行われています(ワクチンの効果を長く続かせるため)。
根本的な治療法は無く、対症療法(症状を軽減させる治療法)のみです。ワクチンによる予防が重要です。
学校保健法:解熱した後3日を経過するまで出席停止。
2、風疹
風疹ウイルスによる感染症で、発熱とほぼ同時に、紅色の小さな癒合しない発疹がでます。発熱と発疹は共に3日ほどで消失します(3日はしか)。耳の後ろのリンパ節が腫れることが多い。風疹ウイルスに感染しても発熱は約半数にみられる程度にすぎず、小児では25〜50%、成人でも約15%の人は風疹の発疹が出ませんので、感染しても風疹と診断されない場合があります(不顕性感染)。また、他の感染症を風疹と誤って診断されていることもあります。
潜伏期は2〜3週間で、発疹出現前1週間から感染力がありますが、解熱後は急速に感染力は消失します。
平成18年6月から、麻疹・風疹混合ワクチンが1歳と小学校入学前の1年間との2回接種が行われています(ワクチンの効果を長く続かせるため)。
根本的な治療法は無く、対症療法のみです。ワクチンによる予防が重要です。
妊娠早期の妊婦さんが感染すると胎児(お腹の中の子ども)に先天風疹症候群の症状が出現する可能性が出てきます。妊娠初期8週以内での感染で胎児に先天性心疾患と白内障、難聴が生じ、それ以降から妊娠20週以内では難聴が生じる可能性があります。
学校保健法:発疹が消失するまで出席停止。
3、水痘(水ぼうそう)
水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で、小さな紅斑が出て、その中心に水泡が形成されます。この水泡は3〜4日で痂皮化します。こういった発疹が4〜5日間連続的に全身の皮膚に出現します。口内炎も出現することがあります。発熱は出ないことが多く、出ても38℃程度が2日間と軽度です。
潜伏期は約2週間で、水泡液や唾液で感染します。発疹出現の2日前から水泡が痂皮化するまで感染力があります。
治療は抗ウイルス薬があり、軽症化することが出来ます。任意接種ですがワクチンがあります。
学校保健法:全ての発疹が痂皮化するまで出席停止。
4、ムンプス(流行性耳下腺炎)
ムンプスウイルスによる感染症で、耳の下(耳下腺)とあごの下(顎下腺)にある左右の唾液腺(唾液を作る所)が腫れて、顔の下部が丸みを帯びる病気です。感染しても唾液腺が全く腫脹しない子も30%ほど存在します(不顕性感染)。特に2歳以下の年少児では唾液腺が腫れない率が高く、腫脹しても軽度であることが多いとされています。
潜伏期間は16〜18日です。唾液腺腫脹の約7日前から感染力があり、腫脹している間は感染力があります。
根本的な治療法は無く、任意接種ですがワクチンはあります。
学校保健法:耳下腺の腫脹が消失するまで出席停止。
合併症としては髄膜炎、睾丸炎、難聴が主なものです。検査をすれば約半数の髄液に異常が認められるとされています。治療が必要なほどの強度の頭痛などの髄膜炎の症状は数%です。自然に改善し、後遺症は残しません。睾丸炎は小さな子どもでは生じませんが、思春期が出現する10歳以降で増加し、思春期以降では20〜30%の男性の睾丸が腫脹し、強烈な痛みを伴います。2万人に1人程度に難聴も生じ、通常は片側性です。効果的な治療法が無く難治性です。
5、咽頭結膜熱(プール熱)
のどの奥が真っ赤になり、目の結膜炎(目が赤くなり、目やにが出る)、高熱が4、5日続く病気です。目が赤くなっている状態ではプールでも感染させますが、実際は名前とは異なりプールでの感染は少なく、主には目やにを触った指やタオルの共有や咳からの感染です。アデノウイルス3型が主な原因ですが、他の型のアデノウイルスでも生じます。乳幼児の呼吸器感染症(風邪)の10%はアデノウイルスが原因とされています。のどが真っ赤で目が赤くなり、高熱という3つの症状がそろったアデノウイルス感染症がプール熱で、3つの症状がそろわないアデノウイルス感染症はプール熱とは言いません。
潜伏期は5〜7日です。根本的な治療法は無く、ワクチンもありません。
学校保健法:主要症状が消失した後2日を経過するまで出席停止。
6、インフルエンザ
インフルエンザウイルスA型(香港型、ソ連型)とB型による感染症です。38〜40℃が2〜7日続きます。寒気、関節痛、咳が強く出ます。幼児では熱性痙攣がおこりやすいことと脳炎の発症が問題となります。ボルタレンやポンタールなどの解熱剤使用で脳炎の発生頻度が上昇します。アセトアミノフェン以外の解熱剤の使用は控えることが重要で、総合感冒薬の中には解熱剤が入っていますので使用しないで下さい。
潜伏期は1〜3日です。ワクチンはあります。
治療としてはタミフル、リレンザの2種類の抗ウイルス剤があります。ウイルスの増殖を抑える薬ですので2日以内での使用が原則です。ただ、タミフルでは異常行動、リレンザでは呼吸困難という副作用の問題があります。
学校保健法:解熱した後2日を経過するまで出席停止。
7、百日咳
特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする百日咳菌による急性気道感染症です。母親からの免疫(経胎盤移行抗体)が期待できないため、乳児期早期から罹患し、1歳以下の乳児、特に生後6 カ月以下では死に至る危険性も高い病気です。
全経過は2〜3か月を要し、その症状から通常3期に分けます。全経過を通じて発熱は無いか、あっても微熱程度です。
1)カタル期(約2週間持続):普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。
2)痙咳期(約2〜3週間持続):次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。これは短い咳が連続的に起こり(スタッカート)、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出ます(笛声:whoop)。この様な咳嗽発作がくり返すことをレプリーゼと呼びます。痙咳発作を数回ないし数十回繰りかえす。最後に嘔吐をしたり、透明な粘長性の痰を出して発作が終わります。息を詰めて咳をするため、顔面の静脈圧が上昇し、顔面浮腫、点状出血、眼球結膜出血、鼻出血などが見られることもあります。非発作時は無症状ですが、何らかの刺激が加わると発作が誘発されます。また、夜間に発作が多くなります。
乳児期早期では特徴的な咳がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進展することがあります。
3)回復期(2, 3 週〜):激しい発作は次第に減衰し、2〜3週間で認められなくなります。
潜伏期間は7〜10日です。
治療はマクロライド系抗生物質などが有効です。三種混合ワクチン接種(ジフテリア・百日咳・破傷風)が実施されており、その普及とともに百日咳の発生数は激減しています。
学校保健法:特有の咳が消失するまで出席停止。
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