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乳幼児の水分補給
最近は育児用粉乳(ミルク)や市販の離乳食、果汁や乳児用のイオン飲料水などが色々増えて乳幼児に対する食事や水分補給の選択肢が増えました。ただ、企業やマスコミはその良さを宣伝しますが、そういった宣伝文句を全て考慮して育児をしなければならないのでしょうか。必要な部分もありますが、宣伝に踊らされ過ぎてはいないでしょうか。ゆったりとした子育てをお願いします。
1、体の水分
成人では体の60%は水分で構成されていますが、子供ではさらに多く、生後数か月までは70%、乳幼児期では65%が水分です。通常はその水分の約5分の1が1日に失われるため、それとほぼ同量の水分補給が必要です。この水分補給というのはお茶やイオン飲料水の水だけではありません。ご飯やおかず、果物、お菓子の中にもかなりの量の水が含まれておりますし、母乳やミルクも80%以上は水分です。ミルクや食事を十分食べていれば、水分の摂取量は十分であり、通常は特別な水分補給まで考える必要はありません。お風呂上りに・・・・といった宣伝に乗る必要はありません。
2、水分補給を考慮すべき状態
食べたり、飲んだりして体内に入る水分と汗、尿、便や皮膚からの不感蒸泄などで失われる水分とのバランスが問題となります。体温が高くなると皮膚からの不感蒸泄が多くなり、水分を余分に必要とします。子供は発熱や嘔吐、下痢を伴う病気によくかかります。熱や嘔吐、下痢では体外に失われる水分が多くなり、また食欲もなくなり体内に入る水分が少なくなりますので脱水状態になりやすくなります。こういった場合は食事以外の水分補給を考慮しなければなりません。
3、脱水症の症状
脱水になると口唇や口腔内が乾燥し、尿量が減少してきます。進行すると元気がなくなり、意識がはっきりしなくなり、痙攣なども生じます。元気で、口唇や口腔内がみずみずしく、尿は多少減少する程度であれば問題はありません。口唇や口腔内が乾いてきたり、尿が出にくくなりだしたら早く小児科専門医を受診してください。
4、脱水症の原因
発熱や嘔吐、下痢を伴う病気は、その程度が強ければ全て原因となります。この中でも冬に多い嘔吐下痢症は、嘔吐ために水分が飲めないのに加え、頻回の水様下痢のために便中に多量の水分が失われ、脱水症に特に注意が必要な病気です。また、炎天下で長く遊んでいたり、汗をたくさんかいたりしても脱水になります。
5、水分補給の方法
1)嘔吐や下痢のない場合
何でも好きなだけその年齢にあった飲料や食事を与えてください。食欲があまりなく、1回の量が少ないと考えられる場合は頻回に与えてください。
2)下痢がある場合
年齢により異なりますが、なるべく普通の食事を続けるように努力してください。@母乳はそのまま与える。A育児用ミルクもそのまま与える。B離乳食は続ける。たんぱく質や脂肪分は多少控える。離乳食は育児用ミルクよりも下痢時には消化吸収が良い場合があります。C牛乳は止める。下痢が続けば腸管での乳糖を分解する力が低下し、下痢を助長する可能性があります。Dジュースや果汁も止めるか少なくする。糖分濃度が高いため下痢を助長する可能性があります。Eお茶や乳幼児用イオン飲料水は積極的に与える。
3)嘔吐がある場合
子供の胃は構造上、嘔吐しやすくなっており、よく吐きます。嘔吐が強い場合、食事はいったん中止し、お茶やその年齢にあったイオン飲料水に限定し、水分が普通に飲めるようになってから食事を再開します。脱水を心配して大量の水分を一度に飲ませようとするとよけいに嘔吐します。せっかく飲んでも嘔吐すればゼロです。最初は少量ずつ頻回に与えてください。嘔吐しにくくなります。牛乳や脂っぽい食事は嘔吐しやすくなりますので止めてください。
4)注意点
@嘔吐や下痢ではまず、小児科専門医を受診して原因を探す必要があります。A嘔吐や下痢は体に害のあるもの、不要なものを体外に出す生体防御作用です。原因が不明な場合は嘔吐や下痢を薬で無理に止めることは避けてください。余計に病気を重くすることもあります。B嘔吐も下痢もひどい場合は点滴での水分補給が必要です。
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