赤ちゃんスリングと先天性股関節脱臼

最近流行している赤ちゃんスリングは、おんぶひも、抱っこひもに比べファッション性が高いためか、使用されてきています。しかし、生後3か月未満の赤ちゃんに横抱きの状態で使用されている場合もあり、股関節脱臼になる危険性があります。スリングを使う際、股関節脱臼にならないように生後1か月以降に使用するのが望ましいとされています。また、スリングをまだ首がすわっていない生後3か月未満の赤ちゃんに使用するときに、「よこ抱き」や「バナナ抱き」のように下肢を伸展した形で使用すると、股関節脱臼を誘発する肢位になり易い危険性があります。この年齢ではスリングで長時間横抱きにするのは股関節にとってはあまり良いことでは無いと考えます。もしスリングを生後3か月未満の赤ちゃんに使用するときには、縦抱きにして赤ちゃんの股関節が開いた開排位になるように、両下肢が母親のおなかをまたぐように股関節を広げて、膝を曲げた状態になるような使用法で使用する必要があります。関節は自由に動かせるようにし、首が据わるまでは首の後ろに手を添えてあげて下さい。
 赤ちゃんの股関節を守るために大切なことは赤ちゃんの股が開いて下肢がM字になっている赤ちゃん本来の自然な姿勢がとれるような配慮をすることです。赤ちゃんを横に抱っこするときでも、赤ちゃんの股の間に手を入れて、おしりを支えるようにして下肢が自由に動けるような配慮をしながら抱っこすることが必要です。
 たて抱きは足が十分に開いている抱き方なので問題はありませんが、
横抱きのときは赤ちゃんの足の位置に注意が必要です。赤ちゃんの足はひざを少し曲げた状態でのM字が理想的です。ですから足側のポーチは広めにとり、抱いた後必ず赤ちゃんの足がM字になっているかどうかチェックして下さい。ただ、赤ちゃんが上を向いた状態の横抱きだとお母さん側にある赤ちゃんの股関節を、お母さんのお腹で押してしまい股関節が動きにくくなりますので長時間は避けるべきです。先天性股関節脱臼の予防の本質は、赤ちゃんの下肢の自由運動を妨げないということです。
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下肢の動きをなるべく制限しないような薄いオムツ、オムツカバーを股間に当て、赤ちゃんの下肢の自由な動きを妨げないことが基本です。したがって下肢の動きを制限するようなオムツカバーや衣服は使用しないことが重要です。赤ちゃんの下肢の運動とは、曲げることも伸ばすことも含まれます。伸ばすことも重要です。
2)赤ちゃんを抱く場合は、
抱く人と赤ちゃんとがお互いが向き合うようにするのが大切です。そうすれば赤ちゃんの下肢は自然な形をとり、ある程度自由な運動が可能になります。赤ちゃんを横にして抱くと、下肢の動きが制限されるので横抱きは出来るだけ避けるべきです。
 首が座っていたら当て抱きにして腰抱きにします。スリングはどうしても股関節を閉じてしまい易いので、抱っこする人の腰骨の上で股をまたがせるようにして抱っこするようにします。スリングに入れる時に赤ちゃんの股をしっかりと開脚させ、抱っこする人の体にしがみつかせるような体勢にすることが重要です。そして、赤ちゃんの膝下は自由に動かせるように、スリングの外に出しておくことが基本です。
 小さくて足が外に出せない場合は、スリングの中で 開脚状態にし、足が多少自由に動かせるように留意する。足が出せるようになったら出来るだけ出すようにします。
 新生児の頃から、赤ちゃんは抱っこする人と向い合わせになるようにして、
股関節をしっかり開くようスリングに入れてあげてください。足が出ない場合は股関節が広がっていること、お尻に体重がかかっていることを確認してください。股関節が開くか、自由に動かせるように抱っこすることが理想です。赤ちゃんの足がカエルのように開いた形で抱っこするような形でスリングを使うと良いと思います。スリングの基本としては、手で自然に抱っこした形をスリングで再現することです。