令和6年10月21日


 涼しくなりましたが、生後6か月以降の子どもでは大人よりも1枚少なめの服装が基準です。厚着は避けて下さい。

 新型コロナウイルス感染症は子どもでは普通の風邪程度の症状で治っていますし、発生も減少してきています。手足口病は再度流行してきています。咳き込む風邪が増加していますし、軽症で治る嘔吐下痢症や症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、細気管支炎などもあります。

 インフルエンザワクチンの接種が始まりました。接種希望者は早めの接種をお願いいたします。大きな子や大人は1回、小さな子は2回の接種になります。今年から、2歳〜19歳未満の子どもに、経鼻インフルエンザワクチンが使用できるようになりました。この場合は1回のみ、左右の鼻腔にワクチンを入れる形となります。ただ、このワクチンの供給量は制限されていますので、希望者全員に接種できるとは限りません。

 インフルエンザはウイルスと接触後1〜3日で発症し、高熱のために熱性けいれんや幻覚(幻視、幻聴)による異常行動が生じやすくなります。治療にはタミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどが使われますが、発症早期に治療を開始したほうが効果がありますが、タミフルは美味しくありませんので、服用を拒否する子もいます。治療することで発熱期間などが短くなりますが、薬を使用しなければならないわけではなく、使用しなくても自然に治ります。

 ボルタレンやポンタールなどの脳症を起こしやすくする解熱剤があります。解熱剤は熱のため機嫌が悪く寝てくれないなどに限定してアセトアミノフェン(カロナールなど)を少量使用するなどにとどめて下さい。総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のほとんどに解熱剤が含まれており、脳症を起こしやすくする解熱剤が含まれている薬もあります。注意が必要です。脳症は意識障害や痙攣が長時間持続して脳に後遺症を残しやすい病気ですが発生は非常に稀です。解熱剤を使用しなくてもなりますし、高熱だから脳症になるわけではありません。

 暖房や暖かいものが恋しい季節になり、熱傷(やけど)に注意が必要です。熱傷では出来るだけ早く熱傷の部分を冷やすことが大切で、冷やすことで熱傷の進行を止め、痛みも抑えますし、傷跡が残りにくくなります。近くの冷たい水やお茶をまずかけて下さい。水道水を流しながらや洗面器に溜めながら15〜30分間冷やして下さい。こたつやホットカーペット、カイロ、湯たんぽ、ストーブなど、低温でも皮膚の同じ場所に長時間熱が加えられると低温熱傷が生じますので、直接皮膚に触れないようにして下さい。

 あまり動かない赤ちゃんや小さな子をホットカーペットや床暖房の上に掛け布団を併用して寝かせれば、乳幼児の体温は危険な領域まで上昇する可能性があり、低温熱傷以外にも脱水症や熱中症になる可能性があります。




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