令和7年10月20日


 過ごしやすい季節になりました。インフルエンザが流行の兆しを見せておりますし、軽症で治る嘔吐下痢症や夜に咳き込む風邪の流行もまだ続いています。症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、コロナ感染症、リンゴ病、水痘、細気管支炎などもあります。

 インフルエンザワクチンの接種が始まっています。接種希望者は早めの接種をお願いいたします。大きな子や大人は1回、小さな子は2回の接種になります。2歳〜19歳未満の子どもでは経鼻インフルエンザワクチンも使用できます。この場合は1回のみ、左右の鼻腔にワクチンを入れる形となります。インフルエンザワクチンはA型2種類とB型2種類に対応できるように製造されています。最近、インフルエンザA型に感染しても、ワクチン接種することで、あと3種類のインフルエンザウイルスが予防できます。

 インフルエンザはウイルスと接触後1〜3日で発症し、高熱のために熱性けいれんや幻覚(幻視、幻聴)による異常行動が生じやすくなります。治療にはタミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどが使われますが、発症早期に治療を開始したほうが効果がありますが、タミフルは美味しくありませんので、服用を拒否する子もいます。治療することで発熱期間などが短くなりますが、薬を使用しなければならないわけではなく、使用しなくても自然に治ります。

 ボルタレンやポンタールなどの脳症を起こしやすくする解熱剤があります。解熱剤は熱のため機嫌が悪く寝てくれないなどに限定してアセトアミノフェン(カロナールなど)を少量使用するなどにとどめて下さい。総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のほとんどに解熱剤が含まれており、脳症を起こしやすくする解熱剤が含まれている薬もあります。注意が必要です。脳症は意識障害や痙攣が長時間持続して脳に後遺症を残しやすい病気ですが発生は非常に稀です。解熱剤を使用しなくてもなりますし、高熱だから脳症になるわけではありません。

 咳、痰などは気管などに入った異物を外に出そうとする働きがあります。咳や痰を薬で無理に止めてしまうと細菌やウイルスなどが外に出ず、困ることがあります。小児科では薬などを使って痰を出しやすくし、咳を軽くします。冷たい乾いた空気やホコリっぽい空気は咳を悪化させますので、夜は部屋に洗濯物を干したり、加湿器を使って部屋の加湿を心がけてください。

 子どもは口で息をするのが下手なため、鼻水で鼻がつまると寝てくれません。抱っこしてあげれば、鼻が通るようになり寝てくれますが、親も子も寝不足になります。鼻水を軽減させる薬があり、少し眠気が出て眠りやすくなります。薬をうまく使って、親子とも十分な睡眠がとれる無理のない子育てをして下さい。




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