暑くなってきました。五月病という言葉がありますが、5月の連休後に「やる気がでない」「疲れがずっと抜けない」など、なんとなく感じる心身の不調のことを言います。五月病は新生活という環境の変化のストレスが原因で起こると考えられています。新学期になって保育園や幼稚園、学校などでの環境が大きく変わったことで、子どもにはストレスがかかっています。このような生活の変化にゆっくりとしか適応できない子もいます。精神的なサポートをお願いいたします。
インフルエンザの流行がほとんどなくなりました。新型コロナウイルス感染症も子どもでは軽症が多く、発生もほとんど見られていません。軽症で治る嘔吐下痢症の発生が目立っていますが、夜に咳き込む風邪、症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子などの一般的な風邪もあります。
これからは病気の発生は少なく、秋までは小児科外来は混まなくなります。予防接種や日頃気になっていることを相談するには良い時期と思います。予防接種をチェックしてみて下さい。接種無料券が使える年齢が限られています。不明な場合は保健所や小児科に問い合わせて下さい。
熱中症は今の時期では、急に暑くなった時や、体が暑熱環境や体の発熱に馴れていないために生じます。@気温は高いときに起こりやすいのですが、気温はそれほどでもなくても湿度の高いときA前日に比べ急に気温が上昇したB無風状態C砂やアスファルトなどの日光の反射が多い所などが起こりやすいとされています。空調のない室内でのスポーツも要注意です。マスクも息苦しさを伴います。子ども達の環境をチェックし、予防を心がけてください。日頃から運動や外遊びを奨励し、暑さに慣れるような生活を心がけることも大切です。
晴天のときには照り返しのために地面に近い低い位置の気温が高く、子どものほうが暑さを感じています。特にベビーカーの中は風通しも悪く注意が必要です。晴れた日の空調を止めた車の中は非常に暑くなりますので、子どもを車内に放置する事は止めて下さい。
細菌性食中毒は腸炎ビブリオ、カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌などが原因で、症状は腹痛、嘔気・嘔吐、下痢など、菌が腸管壁へ侵入すると便に血液や膿が混入します。一般的には、菌が腸管内で増殖して毒素などを出し、発症しますので増殖(8時間から数日)してから発症しますが、ブドウ球菌などは食物の中で増殖して毒素を出し、その増えた毒素を食べての発症ですので食後数時間で発症します。
食べた細菌数や毒素の量が少なければ治療なしでも自然に治ります。菌や毒素を少なくすることが重要で、@菌を付けない:食品や調理器具、手をよく洗う。A増やさない:なるべく早めに食べる。冷蔵庫などに保管する。B菌を殺す:十分な加熱処理を行うなどを心がけて下さい。下痢を止める薬は悪い菌の排出も止め、重症化させる可能性があり、使用しないで下さい。
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