頻回の嘔吐と下痢を伴います。潜伏期間は1〜3日で、嘔吐は1日程度で治まります。下痢は淡黄色や白っぽいクリーム色の水様便になることが多く、4〜5日間続きます。現在流行中の嘔吐下痢症は軽症で、下痢を伴わない子もいます。
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、パレコウイルスなどのウイルスが原因です。それぞれタイプが多数あり、一冬に数回かかることもあります。これらのウイルスに対する薬はなく、治療方法も変わりません。
患者の吐物や下痢便中にウイルスがあり、これらを触って、口の中にウイルスが入ることによる感染が主です。吐物や便を触った後は石鹸を使い水道水で手洗いを十分して下さい。消毒用アルコールは効果が不十分で、ミルトンやキッチンハイターなどの塩素系の消毒薬や漂白剤および85℃で1分間以上の加熱、紫外線(太陽光)がこのウイルスの消毒に有効とされています。乾燥するとウイルスが空中に広がりますので、吐物や便を濡らした新聞紙などで直ぐに覆い、きれいに拭き取って下さい。
嘔気のある間だけは食事を止め、20〜30mlのイオン飲料水やお茶を与えて下さい。その後徐々に1回量を増やし、十分飲めるようになったら出来るだけ早く消化の良い食事を開始して下さい。食事は腸の回復を助けます。
下痢が続きますので、牛乳や乳製品、ジュースなどは中止して下さい。吐気がなければ消化の良い食事は欲しがるだけ与えて下さい。下痢は体に害のあるものを早く出すようにしている身体の防御反応の可能性が高いことを考慮して、乳幼児では薬で無理に止めないのが一般的です。整腸剤で腸の働きやバランスを良くして腸の回復を待ちます。ひどい嘔吐には嘔吐止めを使用します。
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