2026年 1月25日 放送
清潔な皮膚

 皮膚には肌の水分を保持し、外部からの異物の侵入を防いでいる表皮と皮脂膜によるバリア機能があります。また、皮膚表面の多くの常在菌のバリアが病原菌から肌を守っています。これらの皮膚バリアが壊れてしまうと、皮膚に異物が侵入してきますし、肌にある水分は蒸発しやすくなります。スキンケアや栄養、生活習慣も含めた対策で皮膚のバリア機能を維持することが重要です。

 良い皮膚の状態とは、常在菌がバランスよく存在して、皮脂が常在菌で処理されて弱酸性の皮脂膜で皮膚が覆われ、アルカリ性を好む病原菌が繁殖しにくくなった状態です。頻回に洗う、ゴシゴシ擦る、洗浄力の強い洗浄剤を使うなどの過剰な洗浄では皮膚常在菌が失われ、弱酸性の皮脂膜が洗い流されてバリア機能が弱まります。健全な皮膚常在菌を育てて健全な皮膚環境を作るためには、洗い過ぎない事が大切です。

 普通の石鹸や洗浄剤は弱アルカリ性ですが、水道水で流しますので、皮膚はすぐに弱酸性に戻ります。弱酸性の洗浄剤は洗浄能力が弱いものが多く、普通の子では香料などを含まない普通の石鹸(小さな子ではベビー石鹸)で良く、その後に十分に流すことが大切です。

 手洗いが奨励されていますが、頻回の手洗いでは手が荒れますし、アルコールによる手洗いでは常在菌の多くを殺します。皮膚が荒れた常在菌の少ない部位には病原菌が増殖しやすくなります。汚れや汚染物などで手が汚れていれば丁寧な手洗いは必要ですが、遊具や家具を触った程度での手洗いまでは不要と思います。

 一般の細菌やウイルスの刺激でヒトの身体や免疫状態が健康に保たれています。清潔にし過ぎると身体や免疫力に弊害が出ます。











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